【8月16日 CNS】中国・雲南(Yunnan)の祥鵬航空(Lucky Air)は近ごろ、「一人多席」という新種の航空券の販売を開始した。「一人多席」とは、通常通り飛行機の座席の切符を買うほかに、1席以上を同一人物が追加で購入することができ、他の乗客はそれらの座席に座ってはならない、というものだ。

■必要性か?富の誇示か? ネットユーザーは議論沸騰

 このニュースはあっという間にネットで広まり、議論が沸いている。暇な時期であれば、空席率の改善ができ、飛行コストを低減できる。一部の乗客にとっては需要があるという。

「太った人間にとってはまさにニーズありだ」「一人で3席買えば、寝ていける」などとする好意的な声がある一方、「金があるのなら初めからファーストクラスを買えばよい。資源の浪費だ。金があるからといってわがままは許されない」「追加の席を購入すればプライベート空間を享受できるというが、何席分買ったらいいのか?1列全部か?」などの疑問や批判的な声もあった。

■航空会社の公式回答「乗客の通常の切符購入に影響ない」

 ネットユーザーの「資源の浪費」との指摘に対し、祥鵬航空は、「追加の席の購入は乗客の通常の切符購入の妨げにはならず、価格はエコノミークラスの定価の20%でしかない」と回答した。

 同航空の関係者は、同一人物が追加の席を購入する「一人多席」の切符を販売した背景には、より広く快適で静かな空間を求める乗客や、大切な持ち物を所持する乗客で荷物棚に入れたくないと考える人もいる。こうした需要に応えるため販売を開始したという。

 客が「一人多席」の切符を購入する際には、国内線フライトの場合、追加席では中国の航空券を購入する際に上乗せされる民間航空発展基金は支払う必要はなく、燃油付加費を負担すればよい。国際線も、国際線航空券の燃油付加費を支払うだけで済む。

 現在、国内線の座席利用率は100%に達しておらず、「一人多席」の切符は、空席を活用しながら収入も増やすことができる。一方では、一人で何席分も購入すれば、本人は気分が良いだろうが、他の乗客が正規のルートで航空券を購入する上での妨げになるのではないかという疑問は残る。