【8月14日 AFP】アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)による攻撃が続いている同国東部ガズニ(Ghazni)州の州都ガズニでは、米空軍の支援を受けた政府軍がタリバンの撃退に苦戦しており、これまでに治安部隊少なくとも100人、市民数十人、タリバン側200人近くの計310人以上が死亡した。当局が13日、明らかにした。交戦開始から4日目に入り、住民は食料や医薬品の不足を訴えている。

 ガズニは、首都カブールから南へ車でわずか2時間の場所に位置する。政府は同市への増派を発表。また駐留米軍によると、同軍は戦闘開始以降、連日空爆を実施している。

 9日夜に始まったガズミ襲撃は、タリバンへの和平交渉への参加を求める圧力が強まる中で行われた。住民も犠牲になったことから、民間人が多い市街地を繰り返し攻撃するタリバンを撃退する難しさが浮き彫りになっている。

 タリク・シャー・バフラミ(Tariq Shah Bahrami)国防相はカブールで記者会見し、「治安部隊約100人が命を落とし、市民20~30人が殺害された」と発表。194人のタリバンの戦闘員が死亡、147人が負傷したことも明らかにした。タリバンの攻撃開始以来、政府高官が死者数を発表するのはこれが初めて。

 これを受けタリバン側は即座に反論し、政府の発表は「事実無根」であり「政府軍の降伏に向けた」協議が進んでいると述べた。

 ガズニ市内では、病院の医師らが負傷者への対応に苦慮。赤十字国際委員会(ICRC)の報道官はAFPに対し、市内のある病院は「圧倒されている」と明かした。

 同報道官によると赤十字は13日、戦闘が一時収まった間に病院を訪れ、発電機用燃料200リットル近くと100人以上の患者用の医療物資を供給できたという。

 住民らの話によると、市内ではタリバン戦闘員らが街を歩き回っており、停電も続いている。現地入りしているAFP特派員によれば、12日夜にはタリバン戦闘員が家々を回り、水や茶などの物品や、負傷した戦闘員を搬送するための手押し車を奪った。(c)AFP/Emal HAIDARY, Usman SHARIFI