【8月13日 AFP】タイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)がついに帰ってきた。

 12日に最終日が行われた男子ゴルフ米国ツアーメジャー最終戦、第100回全米プロゴルフ選手権(2018 PGA Championship)で、ウッズはメジャー最終日の自身最少スコア「64」を記録して2位。一時はもう終わったかに思われたプロキャリアで、もう一花咲かせることに期待を抱かせるゴルフを見せた。

 パーをねじ込み、ティーショットを大きく曲げたところからまさかのバーディーを奪い、恐ろしいほど正確なアプローチやパットを披露する。2008年の全米オープン選手権(US Open Championship)以降、メジャー制覇から遠ざかっている42歳は、そんなかつての姿を取り戻した。

 ウッズの最終日について、同組で回ったゲーリー・ウッドランド(Gary Woodland、米国)は「なんだ、64ぽっちかという感じだったね。パターがものすごかった。あんなふうに次々入ることはそうないんだけど、正直に言って、きょうは楽勝で64を出したように見えたよ。もっとずっと少なくてもおかしくなかった」と話した。

 ウッズ本人は、「優勝を目指してトライする必要があった。ラウンドをまとめるのは簡単ではないと分かっていたが、それができた」とコメントしている。そのプレーに、ギャラリーも全盛期のウッズに送ったのと同じ大歓声で応え、「ものすごい歓声で、みんなずっとついてきてくれた。信じられない」とウッズを喜ばせた。

 優勝したブルックス・ケプカ(Brooks Koepka、米国)には2打届かなかったウッズだが、負けて気分が良いのは久しぶりだと話し、メジャー14勝の実績をさらに伸ばす本格的な手ごたえを口にしている。5年間ツアーの優勝から遠ざかり、一時は現役の続行も危ぶまれた男の口から、そうした言葉が出るようになった。

「一時はゴルフを続けられるかも分からなかった。長い過程で、いつ戻れるか、あといくつ大会に出られるのか、どの程度のプレーができるのかも不明だった。スイングも手探りだった」と語るウッズ。しかし復帰から8か月が経ち、拳を突き上げるウッズと沸く周囲という光景が戻ってきた。同時に、ジャック・ニクラス(Jack Nicklaus)氏のメジャー最多18勝を再び目指せる雰囲気も戻ってきている。(c)AFP/Jim SLATER