【8月12日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は11日、黒海沿岸の都市リゼ(Rize)で行った演説で、金利について「搾取の道具」と発言し、可能な限り低く維持すべきだとの考えを示した。

 エルドアン氏は演説の中で「金利というものは貧しい者をより貧しく、豊かな者をより豊かにする搾取の道具であるため、最低限に抑えられるべきだ」と語った。

 名目上独立した機関のトルコ中央銀行はここ数週間、高インフレや通貨下落に直面しながら利上げ圧力に逆らってきた。

 一方、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は10日、トルコからの輸入鉄鋼・アルミニウムに対する関税の倍増を承認したと表明。牧師拘束問題をめぐり両国の外交関係が悪化する中、苦境にあるトルコ経済に圧力を加え、同日のリラ相場は対ドルで前日比16%下落した。

 エルドアン氏は米政府を名指し、「全世界に経済戦争を宣戦布告し、制裁をちらつかせて身代金目当てに諸外国を人質に取るといったこのような命令は決して受け入れられない」と非難。

 また全面的なリラ安となっている為替相場について、トルコに対する陰謀に利用されていると指摘した上、「問題はドルやユーロ、金でないことはよく分かっている。これらはわが国に仕掛けられた経済戦争の弾丸や砲弾であり、またミサイルなのだ」と語った。(c)AFP