【8月11日 時事通信社】冷戦時代のベルリンの壁による東西分断を象徴する検問所「チェックポイント・チャーリー」跡地の再開発をめぐり、大規模なホテル建設などを目指す事業者側と、歴史に配慮した開発を望む市民らとの間で調整が難航している。壁崩壊から30年となる来年11月の着工が当面の目標だが、紆余(うよ)曲折がありそうだ。

 市や専門家、事業者でつくる検討委員会は7日、再開発の基本方針で合意。西側向きの窓が塗り固められた旧東側の家屋など、歴史的遺物への視界を確保することや、ビルの高さを60メートル以下とすることとした。7建築事務所が高層ビルなどを建築する素案を提出していたが、条件を満たす案は皆無。今後案を練り直すこととなった。

 市中心部にあった同検問所は、米国とソ連の統治地域の境界に位置。同検問所を突破し西側に脱出した東側住人が多数いたほか、1961年に米ソの緊張が高まった「ベルリン危機」では、検問所を挟み両国の戦車が対峙(たいじ)した。現在は、こうした歴史をしのぶ人気観光スポットとなっている。

 周辺の約9000平方メートルは、所有者の投資会社破綻で開発が進んでいなかったが、地元デベロッパーが2015年に債務を引き取り、「ハードロック・ホテル」や商業施設、住宅などを建設する再開発計画を進めていた。ただ、市民から「(商業優先の)『ディズニーランド』にすべきでない」などの声が噴出。市が調整に当たってきた。(c)時事通信社