【8月11日 時事通信社】ロシア政府が6月に発表した年金支給開始年齢を引き上げる改革案への不満が広がり、プーチン大統領の支持率が急落している。サッカーのワールドカップ(W杯)自国開催の熱狂も去る中、野党勢力指導者は9月に全土での抗議デモを呼び掛けており、プーチン氏不支持の流れが強まる可能性もある。

 政府はW杯開幕日の6月14日、支給開始年齢を男性は60歳から65歳、女性は55歳から63歳に来年から段階的に引き上げるよう提案。議会審議も始まった。ロシアは旧ソ連時代の1930年代に現在の年金制度が定まったとされ、それ以来の改革となる。

 メドベージェフ首相は「生産年齢人口が縮小する一方、年金生活者は増えている。不均衡は年々拡大している」と理解を求めたが、「W杯のどさくさ」(地元紙)に紛れての提案に多くの国民が反発。インターネット署名サイト「change.org」では改革反対の請願への署名が290万人以上に達した。

 ロシアの平均寿命は男性が66.5歳、女性が77歳で、署名を呼び掛けた労働組合グループは「男性の40%、女性の20%が65歳まで生存していない。支給開始年齢引き上げなら、かなりの国民が年金を受け取れない」と批判した。

 反発が広がる中、独立系世論調査機関レバダ・センターによると、プーチン氏の支持率は5月の79%から7月は67%に急落。プーチン氏は2005年に年金改革に関し「私が大統領でいる間は行わない」と述べていた。

 政権批判の急先鋒(せんぽう)の野党勢力指導者ナワリヌイ氏は7日、9月9日に全土で抗議デモを行うよう呼び掛けた。同氏らが7月に主導したデモはW杯中で低調だったが、同氏は「国民の9割以上が(改革案に)反対している」と対決姿勢を強めている。(c)時事通信社