【8月11日 AFP】米テキサス州の保健福祉当局は、「不衛生な環境」とされる保護施設に最近収容された移民の子どもが死亡したとの報道を受け、調査に乗り出している。

 同州の保健福祉当局者はAFPに対し、今月になって浮上したこの疑惑についての調査を開始したことを認めた。

 家族の代理人が死亡した子どもの名前を当局に通報したことを受けて、調査は9日に始められた。子どもの名前は公表されていない。また、当局と代理人らは、子どもの性別や国籍、死因など詳細な情報についても明らかにしていない。

 母親の代理人を務めるアーノルド&ポーター(Arnold & Porter)法律事務所は、幼い子どもが移民税関捜査局(ICE)によって「不衛生な環境に勾留され、その後、悲劇的な死を遂げた」ことについての情報を公開したと述べるとともに、子どもの収容先は、テキサス州南部ディリー(Dilley)にあるICEの保護施設だったことを明かしている。

 一方、ICE側は、この調査に協力していると述べている。

 この子どもの死亡疑惑は現地紙ダラス・モーニング・ニュース(Dallas Morning News)が1日、最初に報じ、今週になって論争を巻き起こしていた。

 不法入国者を厳格に取り締まるドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の「ゼロ・トレランス(不寛容)」政策によって、対メキシコ国境で拘束される不法入国者の数が急増している。7月には、3か所の施設に収容された不法入国者の数が計1437人に達し、全米のICE施設に収容されている不法移民の総数は、7月16日時点で4万4210人に上っている。(c)AFP