【8月11日 AFP】米カリフォルニア州の広範囲で大規模な山火事が続いており、当局は10日、火災が人口密集地に迫っているとして、強制避難命令と大気汚染警報を出した。

 山火事はおよそ1か月にわたり続いている。米国立気象局(National Weather Service)は衛星写真から、「米西部の山火事の煙が今朝、ロッキー山脈(Rockies)北部を北東方向に流れ、カナダの西部と中部に、それから大草原地帯北部を超えて南方向に流れている」と警告した。

 大気汚染警報は主にカリフォルニア州北部で出されており、乳幼児や高齢者のような弱者の体に有害な状況であると警鐘を鳴らしている。

 当局によると、2か所の火災の総称「メンドシーノ・コンプレックス(Mendocino Complex)」は、カリフォルニア州史上最大の山火事となった。そのうち、「リバー火災(River Fire)」は87%を鎮火したが、より規模が大きい「ランチ火災(Ranch Fire)」は53%しか消化できていない。

 メンドシーノ・コンプレックスよりも北で発生した「カー火災(Carr Fire)」は51%が鎮火された。この火災ではこれまでに7万3000ヘクタールが消失。消防士3人、民間人5人が死亡し、カリフォルニア州史上3番目に多い犠牲者を出している。

 4日間でクリーブランド国立森林公園(Cleveland National Forest)の約7300ヘクタールを消失させた「ホーリー火災(Holy Fire)」については、放火容疑でフォレスト・ゴードン・クラーク(Forrest Gordon Clark)被告(51)が起訴されている。

 クラーク被告に対しては、隣人に対する脅迫や、逮捕の際に抵抗した公務執行妨害の容疑も掛けられている。有罪となれば、禁錮10年から終身刑が科される。(c)AFP