【8月11日 AFP】パンパシフィック水泳選手権(Pan Pacific Swimming Championships 2018)は10日、東京で競泳女子100メートル自由形決勝が行われ、オーストラリアのケイト・キャンベル(Cate Campbell)が自己ベストにして世界歴代2位の52秒03を記録する圧巻のパフォーマンスで大会連覇を果たし、リオデジャネイロ五輪の悪夢を振り払った。

 元世界水泳選手権(FINA World Championships)女王で、2016年のリオ五輪では同種目の優勝候補大本命と目されながらまさかの6位に終わったキャンベルは、同五輪と昨年の第17回世界水泳選手権(17th FINA World Championships)で優勝したシモーネ・マヌエル(Simone Manuel、米国)を52秒66の2位、今大会の女子200メートル自由形で優勝したカナダの新鋭テイラー・ラック(Taylor Ruck)を52秒72の3位に抑えて金メダルを手にした。

 キャンベルは昨年の世界水泳でサラ・ショーストレム(Sarah Sjostrom、スウェーデン)が樹立した世界最高記録の51秒71を更新するかと思われたが、終盤の数メートルでエネルギーを使い果たしてしまった。

 リオ五輪が終わった後、1年間の休養期間を取っていたキャンベルは、開き直った様子で「自分を誇りに思います。重圧にさらされながらも、ここぞというときに、しっかりパフォーマンスできるという証しです」とコメントした。

 男子100メートル自由形では、オーストラリアのカイル・チャルマース(Kyle Chalmers)が、米国の新たなスーパースター、ケーレブ・ドレッセル(Caeleb Dressel)との勝負を48秒00で制して金メダルを獲得。水泳界の花形種目で豪勢が2冠を達成した。

 後半の50メートルで圧巻の泳ぎを披露したチャルマースに続き、世界王者のドレッセルとオーストラリアのジャック・カートライト(Jack Cartwright)が48秒22の同タイムで銀メダルを分け合った。

 リオ五輪が終わって燃え尽き症候群に見舞われていたチャルマースは、「気が付いたらしているというのは、本当に特別なことだよ。レースではこういう泳ぎが理想なんだ。2年後の東京五輪をすごく楽しみにしている」とコメントした。

 女子100メートル背泳ぎでは、カナダのカイリー・マス(Kylie Masse)が58秒61の力強い泳ぎを見せ、今年のコモンウェルスゲームズ(2018 Commonwealth Games、英連邦競技大会)に続いて金メダルを獲得した。オーストラリアのエミリー・シーボーン(Emily Seebohm)が58秒72で銀メダル、同種目の世界記録保持者である米国のキャスリーン・ベイカー(Kathleen Baker)は58秒83で銅メダルを手にした。

 男子100メートル背泳ぎでは、リオ五輪の同種目王者であるライアン・マーフィー(Ryan Murphy、米国)が、自身が持つ世界最高記録には100分の9秒届かなかったものの、51秒94で金メダルに輝いた。

 女子4×200メートル自由形リレーでは、オーストラリアが7分44秒12の大会新記録で米国の牙城を崩して金メダルを獲得。しかし、男子の同種目では米国のアンカーを務めたタウンリー・ハース(Townley Haas)が素晴らしい泳ぎを披露し、7分4秒36の優勝タイムで女子のリベンジを果たした。(c)AFP/Alastair HIMMER