【8月13日 CNS】中国政府がこのほど、新エネルギーを使用する車両と船舶に対する税金を半分免除する政策を発表した。政府による同種の免税策は、2012年、15年に続き今回で3度目となる。

 これにより今後、自動車市場にはどのような変化がもたらされるのだろうか。

■排気量の小さい自動車の潜在力に期待

 財政部の「通知」によると、税金が半額免除の対象になる車種は、中国内で販売されている排気量1.6リットル以下のガソリンと軽油乗用車(ハイブリット車含む)が対象になる。

 これについて、全国乗用車市場信息聯席会(CPCA)の崔東樹(Cai Dongshu)秘書長は、「この政策が国内に広く展開されれば、小型車市場に対する一定の促進作用を見込めるだろう」と話す。

 上半期の国内自動車市場は、1.6リットル以下のターボ車のスポーツ用多目的車(SUV)市場が全体の半分近くを占め、セダンやミニバン(MPV)市場も20%前後を占めた。

「今後、3気筒エンジン型の需要が高まっていけば、1.6リットル以下のターボ車の販売量も大幅に伸びるだろう」と崔秘書長は話す。

 清華大学(Tsinghua University)汽車安全・省エネ国家重点実験室の宋健(Song Jian)副主任も、「自動車エンジンの技術進歩は、排気量の少量化を進めるための流れを大きく前進させた。今後、全面的な電動化に進む中で、エンジンの小型化も必要になっていくだろう」と話す。

■新エネ車の販売、大幅な成長を見込めるか

 今回の「通知」で注目すべき点は、国内で販売される純電気商用車(BEV)、プラグイン式のハイブリッド車、燃料電池型の商用車なども免税対象になるという点だ。しかも、乗用車に至っては、純電気乗用車と燃料電池乗用車は、課税されない。

 中国汽車工業協会(CAAM)の統計によると、2018年上半期の新エネルギー車の生産台数と販売台数はそれぞれ41万3000台(前年同期比94.9%)、41万2000台(同111.5%)というを記録している。今回の免税施策により、さらなる成長をみせるのか。

 崔秘書長は、「今回の政府の施策は、国内の省エネ・環境産業の発展には追い風となり、自動車業界や市場にとっても、新エネルギー車の販売をより後押しするだろう。しかし、今回の税金の減免策は、政府の積極的な姿勢をアピールする意図もあり、販売量の大幅増加とまでにはならないだろう」と話す。(c)CNS/JCM/AFPBB News