【8月20日 AFP】セドリック・グロレ(Cedric Grolet)氏がペストリーナイフを手にするだけで、100万人以上が期待に胸を躍らせる。

 グロレ氏は先ごろ、「世界のレストラン・ベスト50(World's 50 Best Restaurants)」でベストパティシエに選ばれた若きフランス人だ。インスタグラム(Instagram)界のスーパースターでもある。

 洋ナシ、アプリコット、レモン、桃、トマトに至るまで、グロレ氏が作る本物そっくりの果物スイーツの画像は数多くの人をとりこにする。ファッション誌ヴォーグ(Vogue)は、「画面を舐めたくなるほど」と評した。

 硬派の仏日刊紙ルモンド(Le Monde)も、「ファンは悲鳴を上げ、腕に飛び込み、サイン」や自撮りをねだるとし、そのスイーツはまさに「フードポルノ(人々の食欲を駆り立てるゴージャスな食べ物)」だと力説した。

 パリの超高級ホテル、ル・ムーリス(Le Meurice)では、グロレ氏のケーキが出されるハイティーが提供されていて、数週間先まで予約で埋まることもある。同氏は3月、ここに小さな店をオープンした。店の棚は毎日数時間で空になる。

 グロレ氏のルービックキューブを模したケーキは、本物のように回すこともでき、おしゃれなパリジャンにカルト的な人気を誇っている。6人用のケーキで1ホール170ユーロ(約2万1000円)するため、余裕がなければ手が出ないだろう。

 グロレ氏は7月、サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)でのフランス代表チームの優勝を祝し、フランス国旗の色である青、白、赤を使ったルービックキューブ形ケーキを作った。