【8月10日 AFP】北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ、Ri Yong-Ho)外相は訪問先のイランで「米国がわが国に対する敵意を捨てることはないと分かっており、われわれは核技術を保持する」と語り、北朝鮮が核のノウハウを手放す考えがないことを示唆した。イランメディアが9日、報じた。

 6月にシンガポールで行われた米朝首脳会談で、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長は朝鮮半島の非核化について合意した。

 しかしイランの保守系メヘル(Mehr)通信によると、李外相は「米国人との交渉は厄介だ。わが国の第一目標は朝鮮半島全体の武装解除であり、米国も約束を順守する必要があるが履行を拒否している」と指摘。

 米国は長年北朝鮮に対して完全かつ検証可能で不可逆的な非核化を求めてきたが、米朝首脳会談で取りまとめられた共同声明にはこれに触れた文言は盛り込まれなかった。

 李外相はイラン訪問3日目、イラン政界の重鎮アリ・ラリジャニ(Ali Larijani)国会議長と会談。ラリジャニ氏は会談の席で「米国人は交渉時、美辞麗句を並べ、とても輝かしい未来を約束するが、いざ行動となると約束を一切果たさない」と語ったという。(c)AFP