【8月10日 AFP】7月にアイスランドで捕獲・解体された交雑種のクジラについて、同国の野生動物・自然保護団体が検察当局に対し、合法性を調査するよう求めている。同団体の弁護士が9日、AFPに明らかにした。

 先月7日、父親がナガスクジラ、母親がシロナガスクジラの交雑種のクジラが、アイスランドの捕鯨企業クバルル(Hvalur)に捕獲・解体された。

 ナガスクジラは国際的には商業捕鯨の一時停止(モラトリアム)の対象となっているものの、アイスランドでは捕獲は合法となっている。

 野生動物・自然保護団体Jardarvinirの弁護士はAFPに対し「(捕鯨)許可証によると、捕鯨対象はナガスクジラに限られており、例外は規定されていない」と語った。

 同弁護士によると、Jardarvinirはアイスランドの検察当局に対し、今回の交雑種の捕獲・解体が同国の捕鯨関連法に違反していないかどうか調査を求めている。弁護士は「この問題について調査を実施すべきで、犯罪性が認められた場合、クバルルを起訴すべきだと要求した」と語った。

 このクジラは解体された当初、国際捕鯨委員会(IWC)によって捕獲が禁止されているシロナガスクジラとみなされ、反捕鯨団体が激怒していた。しかしDNA鑑定の結果、交雑種と判明した。

 専門家によると、クジラの交雑種はとても希少で、シロナガスクジラより希少な可能性もあるという。

 アイスランドでは毎年、捕鯨シーズン終了後に捕獲したすべてのクジラのDNA鑑定を行っている。(c)AFP