【8月9日 AFP】タイ政府は8日、同国北部チェンライ(Chiang Rai)県タムルアン(Tham Luang)の洞窟に閉じ込められたのち救出された少年サッカーチーム「イノシシ」の選手・コーチのうち、無国籍だった4人に国籍を付与した。少年らは先月、9日間にわたり洞窟に閉じ込められ、その救出劇は世界中で注目を集めた。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、タイには無国籍の住民が約48万人いる。今回の救出劇でチームのうち4人が無国籍だったことが明らかになると、長らく放置されてきたこの問題に注目が集まり、国籍申請手続きの迅速化を政府に求める声が高まった。

 チェンライ県メーサイ(Mae Sai)郡のソムサック・カナカム郡長は8日、現地庁舎で開かれた式典で、「今日、皆さん全員がタイ国籍を取得します」と述べ、国民用の身分証明証を4人に手渡した。

 ソムサック氏はAFPに対し、「イノシシ事件」は国籍付与の件とは無関係だとし、4人はただ国籍取得資格があっただけだと述べた。(c)AFP