【8月15日 Xinhua News】一束一束のたいまつが、一年一年の出会いを引き寄せ、地上の虫を焼き殺し、心の苦い思い出を焼き払う。8月5日、涼山イ族の伝統行事であるたいまつ祭りの、「火把狂歡」イベントがメイン会場である中国四川省昭覚県谷克徳で開幕した。標高3千メートル以上の雲海の中、観光客は色とりどりのテントを張り、花が咲き誇る中を散策したり、現地のイ族の人々と共にたいまつを燃やしたりし、闘牛や競馬を楽しんだりして、少数民族情緒を体験する。

 夜が訪れると、迎え火の儀式が「畢摩(ピモ)」と呼ばれる祈祷師の読経のもと始まる。祈祷師の経を読む太く荒々しい声が周囲に響き渡ると、遠方の小さな火が会場に集まり始める。その際、大きなたき火にあちこちで火がともされる。たき火の周囲がたくさんの小さなたいまつで明るく照らされ、次第に会場全体が大小さまざまなたいまつでまるで昼間のように明るくなる。

 観光客はたき火を囲み、手を取り合って踊り、祭りを楽しむ。大まかな統計によると、この夜は6万人を上回る参加者があったという。

 涼山イ族のたいまつ祭は通常三日三晩にわたって行われ、1日目は「都載」と呼ばれ、迎え火を意味する。2日目は「都格」で、火を讃える、火を称賛するという意味を持ち、この時たいまつ祭りは最高潮を迎える。3日目は「朵哈」あるいは「都沙」と呼ばれ、送り火を意味している。(c)Xinhua News/AFPBB News