【8月6日 AFP】中国サッカー協会(CFA)は6日、先週末に行われた中国スーパーリーグ(1部)の試合中に、デンバ・バ(Demba Ba)が相手チームの中国人選手から人種差別的な中傷を受けたとする報道について、調査を行うと発表した。

 かつて、イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)でプレーし、現在上海申花(Shanghai Shenhua)に所属するデンバ・バは、1-1の引き分けに終わった長春亜泰(Changchun Yatai)戦で相手選手と衝突。するとその後、長春亜泰のMF張力(Li Zhang、チャン・リー)との間で激しい言葉の応酬となった。

 複数の中国メディアによれば、デンバ・バは「張が人種差別的な侮蔑の言葉を言い放った」と怒っており、国内のSNSには調査を求める声があふれていた。

 こうした状況を受けて、CFAは調査の開始を発表し、リーグの行動規約上で違反があったか否かを判断するために聞き取りを行うことを決めた。CFAは「仮に真実であれば、規定に従って厳罰を下す。われわれはいかなる形の差別も許さない」とコメントしつつ、具体的に選手名を挙げることはしなかった。

 デンバ・バはこの件について公の場でコメントをしていないが、自身のツイッター(Twitter)アカウントで人種差別に反対する投稿をリツイートしている。上海申花の呉金貴(Jingui Wu)監督は試合後の記者会見で、デンバ・バに対して「相手選手の1人が侮辱的な言葉を使った」ことを認めている。

 違反が確認されれば、批判を避けたいCFAから厳しい処分が科されることが予想される。中国サッカー界では近年、各チームが採算を度外視して膨大な資金を使い、国外の有名選手を獲得するケースが相次いだことを政府が問題視し、支出を厳しく制限するルールが課されていた。(c)AFP