【8月6日 AFP】(更新、写真追加)インドネシアの観光地ロンボク(Lombok)島で5日、マグニチュード(M)6.9の大規模な地震が発生し、国家災害対策庁の報道官は翌6日、この地震により91人が死亡、209人が負傷し、またロンボク島北西に位置するギリ諸島(Gili Islands)から観光客およそ1200人を避難させていると明らかにした。

 同報道官によると、すでに観光客358人がギリ諸島から避難したという。

 この地震により家屋が損壊し、観光客や地元住民がパニックに陥った。揺れは、ロンボク島に近い同国有数の観光地バリ島でも観測され、おびえた人々が通りに逃げ出した。

 米地質調査所(USGS)によると、震源の深さがわずか10キロという浅発地震で、その後さらなる大きな揺れに加え、20回を超える余震が起きた。

 ロンボク島マタラム(Mataram)の病院では建物が損壊したために負傷者受け入れの区画が屋外のテント内に設けられ、多くの負傷者がベッドで横になっている。また、同島の一部は現在も停電が続いているという。

 病院の報道官はAFPに対し、医療関係者の数がまったく足りていないと訴えた。

 海水浴やハイキングに世界中から観光客が集まるロンボク島で大きな地震が起きたのは、ここ1週間で2度目。

 地球上で最も災害の多い国の一つであるインドネシアは、いわゆる環太平洋火山帯(Pacific Ring of Fire)にまたがっており、構造プレートの衝突で火山噴火や地震が多く発生している。

 2004年にはインドネシア西部のスマトラ(Sumatra)島沖を震源地とするM9.3の地震が発生、津波がインド洋周辺諸国を襲い、計22万人が死亡、うちインドネシアだけで16万8000人が犠牲となった。(c)AFP