【8月5日 AFP】イタリアが組閣をめぐる政治危機の真っただ中にあった5月、ツイッター(Twitter)に突如、セルジョ・マッタレッラ(Sergio Mattarella)大統領の辞任を求めるアカウントが400個近く作成された件で、検察当局の対テロ部門が捜査を開始することが分かった。複数の伊メディアが4日、伝えた。

 伊メディアが警察の捜査で判明した内容として伝えたところによると、組閣をめぐって伊政界が混乱に陥っていた5月27日夜、ツイッター内にマッタレッラ氏の辞任を求めるアカウントがわずか数分間で400近く作成され、数時間のうちに削除された。この件について、ローマ検察当局の対テロ部門が来週にも捜査を開始するという。

 マッタレッラ氏は当時、新首相に指名されていたジュセッペ・コンテ(Giuseppe Conte)氏から提案された欧州連合(EU)懐疑派パオロ・サボナ(Paolo Savona)氏の経済財務相への指名に反対。反既成勢力を掲げる「五つ星運動(M5S)」や極右政党「同盟(The League)」はこれに強く反発し、またコンテ氏も首相指名を一度辞退する事態となった。

 同盟の書記長で伊内相のマッテオ・サルビーニ(Matteo Salvini)氏は日刊紙「イルフォグリオ(Il Foglio)」とのインタビューで、アカウントの大量作成について「全く気付かなかったし、少しも心配していない」と述べ、「ロシアが英国のEU離脱(ブレグジット、Brexit)や米仏伊の選挙に影響を与えたという記事を数か月前に目にしたが、私に言わせれば全部でたらめだ」と指摘した。

 サルビーニ氏はロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領を称賛していることで知られている。(c)AFP