【8月5日 AFP】北朝鮮の李溶浩(Ri Yong Ho)外相は4日、シンガポールでの東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)で、米国は非核化において「憂慮すべき」忍耐の欠如を抱えながら行動していると批判した。同外相の発言は、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官が北朝鮮への最大限の制裁圧力を維持する必要があると強調したことを受けたもの。

 李外相はシンガポールで6月に行った米朝首脳会談での朝鮮半島非核化に関する合意について、「決意と約束を固守」し、これを履行すると言明。その一方、米国が北朝鮮の非核化のプロセスにおける信頼を傷つけているとし、「憂慮すべきは、米国内で明示されている、大統領の意思とはほど遠い、旧来の形に戻ろうとする根強い動きだ」と批判した。

 また同外相は「米国がわれわれの懸念を取り除く強い意志を現実に見せない限り、われわれだけが先に歩を進めることはあり得ない」と述べた。

 ポンペオ長官は李外相に先立ちARFで、「北朝鮮に対する外交的・経済的圧力を維持する重要性」を各国に強調していると明らかにしたが、北朝鮮の非核化については先行きを「楽観している」と述べた。

 国連はこれに先立ち、北朝鮮は現在も核・ミサイル開発を続けており、海上で船から船へ石油を移し変える方法で制裁を回避しているとの最新報告を出した。(c)AFP/Sam Reeves/Martin Abbugao