【8月4日 AFP】オーストラリア出身のフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)ドライバー、ダニエル・リカルド(Daniel Ricciardo)が今季限りでレッドブル(Red Bull)を離れ、ルノー(Renault)に2年契約で移籍することになった。フランスに拠点を送るルノーが3日、F1におけるかつての栄光の日々を取り戻す意志を示すなかで明らかになった。

 レッドブルにエンジンを供給しているルノーは、2006年にフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)がタイトルを獲得したのを最後に、10年以上もドライバーズ選手権制覇から遠ざかっており、3年前にチームとして再びフル参戦して以降、レースで優勝したことは一度もない。

 F1で通算7勝を記録し、今季は中国GP(Chinese Grand Prix 2018)とモナコGP(Monaco Grand Prix 2018)を制してドライバーズランキングで5位につけているリカルドは、ルノーのウェブサイトで、「これまでのキャリアの中で、最も難しい決断の一つだったかもしれない。だけど、心機一転を図り新しいことに挑戦する時期がきたと考えた」とコメントした。

 ルノーのマネジメントディレクターを務めるシリル・アビテブール(Cyril Abiteboul)氏は、天性の陽気なキャラクターであるリカルドと契約したことによって、チームの大きな目標が明確になったとして、「ダニエルとの契約は、チームの進化を加速させてF1の最先端に向かうという、われわれの決意をはっきり示している」と述べた。

「ダニエルの才能とカリスマ性に疑問の余地はなく、チームにとっては非常に大きなボーナスでありメッセージでもある。最高のマシンを提供することによって、われわれは彼の信頼に報いていかなければならない」

 チーム代表のジェローム・ストール(Jerome Stoll)氏も、「ルノーは世界選手権を戦うために、F1への復帰を決意した」と述べた。

 リカルドの移籍については先にレッドブルが発表し、その直後にルノーが同選手との契約を認めた形となった。ルノーは現在、ドライバーズ選手権でニコ・ヒュルケンベルグ(Nico Hulkenberg)が7位、23歳のカルロス・サインツ・ジュニア(Carlos Sainz Jr.)が11位につけており、リカルドに席を譲るのはサインツになることをほぼ認めるコメント文を発表した。

「ルノー・スポールF1チームは、ダニエル・リカルドがチームに加入し、正ドライバーとして来季からニコ・ヒュルケンベルグに合流することを喜んでお知らせする」

 リカルドがレッドブルをはじめ、メルセデスAMG(Mercedes AMG)とフェラーリ(Ferrari)の3強以外のチームに移籍することは、ある意味で賭けになることを表している。今季のルノーは、コンストラクターズ選手権で合計82ポイントの4位につけているものの、合計223ポイントで3位のフェラーリとは大きな開きがある。

 リカルドは「ルノーがトップレベルで競うという目標に到達するためには、まだ課題が山積していることは分かっている。だけど、たった2年で成し遂げてきた進歩には感銘を受けているし、ルノーがこのスポーツに参戦するたびに、最終的には勝利を収めていることも知っている。この旅路でチームの助けとなり、サーキット内外で貢献できることを望んでいる」と語った。(c)AFP