【8月1日 東方新報】中国の医療サービス会社「美年健康」が無資格医師を勤務させている疑いがあると報道され、同社の株価は1日、8.07%暴落した。時価総額49億3300万元(約801億元)分が吹き飛んだ。

 同社は、中国国内で健康診断施設を230か所運営。2017年の決算報告によると、全国の健康診断施設に、医師・看護師をそれぞれ100人ずつ配置している。計算上では、2万3000人の医療従事者が必要だが、8月1日に公表された同社資料によると、雇用しているスタッフ数は有資格医師5460人、技師・検査技師1542人、有資格看護師5959人と記載されており、医療従事者の数は計1万2961人だった。

 深セン(Shenzhen)証券取引所は7月30日、美年健康に対し「無資格医師が勤務し、医療サービスを提供している」点と、「検査ミスなどで訴訟などを抱えている」点とについて、事実確認を求めた。

 同社は翌31日、緊急にコメントを発表。「報道された検査ミスは事実ではない。報道で言及されていたがん患者は当社の健康診断を受けている。その後、別の病院で腸がんと確定診断されたとしているが、この顧客が当社で受けた健康診断には、腸がんの検査項目はそもそもなかったし、本人からの苦情も来ていない。また、当社は医療従事者の資格をすべて確認している」と主張した。

 だが、同日、騒動の発端となった美年富海問診部を管轄する広州市(Guangzhou)天河区(Tianhe)衛生局は、メディアの取材に対し、「陳医師、慮医師、魯医師の不正について告発を受け、現地調査を行ったところ、陳医師が作成した健康診断結果の一部は本人が診断したものではなく、規則違反が認められた。天河区衛生局は現場に対し、行政指導を行うと共に改善命令を出している」と述べた。

 衛生局によると、美年富海問診部は必要な許可を得ないまま、放射線診療サービスを提供している疑いもあり、処罰に向けて準備しているとう。さらに、無資格のスタッフが診断し、医師に署名だけさせている疑いもあるという。

 記者が天河区衛生局に電話取材したところ、担当者はメディアの報道が事実であり、すでに衛生局の公式サイトでも情報を公開したと語った。(c)東方新報/AFPBB News