【8月3日 AFP】米国のダン・コーツ(Dan Coats)国家情報長官を含む高官らは2日、そろって臨んだ記者会見で、ロシアが米国の世論と選挙に影響を与えるため「広範な」活動を続けていると批判し、11月の中間選挙を前に警鐘を鳴らした。

 コーツ長官は席上、「ロシアは米国を弱体化させ、分断させようと広範なメッセージ活動を続けている」と言明した。

 会見にはコーツ長官のほか、クリストファー・レイ(Christopher Wray)連邦捜査局(FBI)長官、キルスティン・ニールセン(Kirstjen Nielsen)国土安全保障長官ら高官が並び、米国世論への干渉を試みる者や「情報戦争」(レイ長官)を実行する者を捜査・起訴すると宣言した。

 ニールセン長官は「われわれの民主主義そのものが狙われている」と述べ、異例の厳しい警告を発した。

 またレイ長官は「これはただ選挙ごとにやってくる脅威ではない」とし、「われわれの敵は選挙期間中かどうかにかかわらず、常時継続してわが国を弱体化させようとしている」と指摘した。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領はロシアが米大統領選の情勢を自身の有利に傾けようとしたとの主張を繰り返し否定しており、高官らの発言は大統領の立場と矛盾する。だが、コーツ、レイ両長官は、大統領はこの問題を真剣にとらえていないとの見方を一蹴した。

 ジョン・ボルトン(John Bolton)米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は議会宛ての書簡で、政権は脅威を阻止するため「広範囲にわたる、歴史的な行動」を取ってきたと述べた。(c)AFP