【8月4日 東方新報】「呉おばさん、私が車で家まで送っていくよ」。定時で仕事を終えた浙江省(Zhejiang)衢州市(Quzhou)の病院に勤務する看護師の劉佳さん(33)は、病室で寝たきりの夫に付き添う呉さん(73)に声をかけた。

 呉さんの夫の周さんは、2016年1月、交通事故に遭い、その後は植物状態が続いている。呉さんは片時も離れず、家族と交替で夫に付き添っている。

 そんな老夫婦の姿に感銘を受けた看護師の劉さんは、呉さんと年齢の隔たりを超えて親しく交わる友人となった。

「もうすぐ3年になるが、呉おばさんはずっと昏睡(こんすい)状態の夫のそばを離れない。本当にすばらしい人。私は、呉おばさんを自宅まで送迎することに決めたの。周おじさんが目を覚ますその日までね」

■「夫はきっと目を覚ます。絶対に諦めない」

 呉さんは日中を周さんの介護にあて、夜は子どもたちが代わりに面倒を見る。その生活が、毎日、途切れることなく続いている。しかし、依然として周さんが目を覚ます兆候は見られず、この数年でかかった医療費は、100万元(約1600万円)以上になるという。