■絶滅危機レベルの再評価も

 2~7年ごとに発生する周期的な現象のエルニーニョは、地球温暖化によって増幅される可能性がある。また、地球温暖化自体も、より長期的な時間スケールではあるが、同様の結果を数多くもたらす。

 実際に、べイメルスキルシュ氏と共同研究者らは先行研究で、気候変動が現在のまま進行することにより、ココン島を含む仏領クロゼ諸島が今世紀半ばまでに、オウサマペンギンが生存不可能な環境に変わることが大いに考えられるとしていた。

 生息地の移動は、近くに他の適した島が存在しないため、選択肢にはならない。

 群れの過密化などのその他の要因もまた、ココン島コロニーの縮小の一因となっている可能性がある。

 この他にも、ココン島の近くにある南アフリカ領マリオン島(Marion Island)と仏領アムステルダム島(Amsterdam Island)でオウサマペンギンを含む海鳥が発症した鳥類コレラも、可能性のある原因の一つに挙げられている。

 だが、べイメルスキルシュ氏とその他の研究者らが再度ココン島に足を踏み入れるまで、確かなことは誰にも分からない。うまくいけば2019年初めには現地調査を実施できる見通しだと同氏は話した。

 ラット、ネズミ、ネコなどの侵略的外来種が島内に侵入した可能性も考えられる。

 オウサマペンギンは現在、国際自然保護連合(IUCN)の「レッドリスト(Red List、絶滅危惧種リスト)」で「低懸念」に分類されているが、今回の最新データが絶滅危機レベルの再評価を促す可能性がある。(c)AFP/Marlowe HOOD