【7月29日 AFP】2009年のイラン大統領選後に起きた大規模な抗議デモを主導したとして7年前から自宅軟禁下にある野党指導者のミルホセイン・ムサビ(Mir Hossein Mousavi)元首相(76)とメフディ・カルビ(Mehdi Karroubi)元国会議長(80)について、同国の最高安全保障委員会(SNSC)が2人の軟禁解除を承認していたことが分かった。家族が地元メディアに明らかにした。

 現地ニュースサイトは、カルビ氏の息子が「自宅軟禁解除の決定がSNSCに認められたと聞いた」と語ったと報道。最終的に最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師の承認をもって両氏の軟禁解除が決定するという。

 現在のところ両氏の軟禁解除に関する公式な発表は出ていないが、米国からの圧力と経済悪化に直面するイラン政権幹部は保守派と改革派を一致団結させようと躍起になっている。

 ムサビ氏とカルビ氏は2009年の大統領選に改革派候補として出馬したが、選挙は保守強硬派のマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)氏が当選。だがムサビ氏とカルビ氏は得票の集計で不正があったと主張し、首都テヘランを中心に国内全土で1979年のイラン革命以来となる大規模な抗議運動が展開された。

 だが両氏は2011年2月、この時の抗議運動を主導したとして裁判も行われないまま自宅軟禁下に置かれ、ムサビ氏の妻で著名活動家のザフラー・ラフナバルド(Zahra Rahnavard)氏(66)も軟禁処分となった。

 その後、イランでは保守穏健派のハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)氏が大統領に就任。ロウハニ師は2013年、2017年の大統領選でムサビ氏とカルビ氏の釈放を公約として掲げ、SNSCの議長も務めているが、これまで2人の釈放に向けた動きはみられていなかった。(c)AFP