【7月29日 AFP】カリブ海の島国キューバは気候変動の影響を受け、サトウキビの収穫期を調整するかどうか調査することになった。同国共産党の機関紙グランマ(Granma)が28日、報じた。

 キューバはかつて世界有数の砂糖生産国だったが、共産党指導部が停滞する経済の近代化を図っているにもかかわらず、長年にわたって砂糖の生産量が減っている。

 グランマによると、ミゲル・ディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)国家評議会議長は国営砂糖企業グループ、アスクーバ(Azcuba)に対し、科学技術・環境省と協力して気候変動の調査を実施し必要な対策を取るよう命じるとともに、「四季が変化しているのでそれに適応しなけれればならない」と述べ現在11月から翌年4月ごろとなっているサトウキビの収穫期を見直す可能性にも言及した。

 2017~18年に収穫されたサトウキビから生産された砂糖は100万トン余り。過去の最高記録に遠く及ばないばかりか予測値さえ下回り、キューバの最高指導部は懸念を抱いた。

 アスクーバのフリオ・ガルシア・ペレス(Julio Garcia Perez)新社長は気候変動は生産量減少の「根本的要因」の一つであり、歴史的な豪雨でサトウキビの品質にも影響が出たと述べた。またそれ以外の要因として収穫・輸送設備の生産性の低さやマネジメントの欠陥も挙げた。

 ロシアや東欧諸国への輸出量の減少、低迷する国際価格、投資不足、サトウキビ畑の減少によって、キューバの砂糖産業は数十年にわたって衰退の憂き目にあっている。ピーク時の1970年代に年間700万トンだった砂糖の輸出量は、近年は200万トンがやっととなっている。(c)AFP