【7月28日 AFP】オランダ・アムステルダムで23日から27日まで開催された第22回国際エイズ会議(International AIDS Conference)では、薬物の離脱症状に苦しむ会議参参加者のために、ヘロインの合法的な代替として用いられているメタドンを処方する医師が待機していた。

 依存症専門家のネルダ・デグレイブ(Nelda de Grave)氏は、メタドンを求める人がいるかどうか疑問に思っていた。だが、会議に出席している薬物依存者が離脱症状で苦しまず、彼らが会議について行けるだけの「体調を維持する」のが自分の義務だと考えた。

 結果、初日だけで3人が処方を求めてきた。

 1階下には政策提言活動のためのスペースがあり、カウンセラーのスタッフがいるブースには、静脈注射使用者のための消毒針が入った箱が山積みになっている。質問は一切されない。

 薬物使用と中毒に対するこうした現実主義的対応は、違法とされている薬物への寛容な態度で知られる国オランダでは、当たり前のように行われる。だが国外から来た多くの会議参加者にとっては、信じられないほどの厚遇だ。

 デグレイブ氏はAFPの取材に「私たちは(会議の主催者から)、特に東欧と(中央)アジアからの参加者に備えるよう依頼されている」と語った。専門家らによると、この地域は弾圧的な薬物取締法のために、汚染注射針の使い回しによるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染が急増しているという。

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)の報告によると、これらの地域では2010年以降、感染者数が30%上昇した。

 デグレイブ氏は、「これらの国々ではメタドン投薬は普通ではないので、会議にきちんと参加するだけのためにも薬物治療が必要だ。そのために私たちがここにいる」と語った。