【7月27日 AFP】ロシアが米大統領選に介入した疑惑をめぐり、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の顧問弁護士だったマイケル・コーエン(Michael Cohen)氏が、2016年6月にトランプタワー(Trump Tower)で行われたトランプ陣営とロシア人弁護士の会合について、トランプ氏も事前に知っていたと主張していることが分かった。米メディアが報じた。

 2016年6月9日にニューヨークのトランプタワーで行われた会合は、トランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー(Jared Kushner)氏(現大統領上級顧問)、長男ドナルド・トランプ・ジュニア(Donald Trump Jr)氏、トランプ陣営のポール・マナフォート(Paul Manafort)選対本部長(当時)が、ロシア人弁護士ナタリア・ベセルニツカヤ(Natalia Veselnitskaya)氏と面会したもの。ベセルニツカヤ氏は、対立候補だった民主党のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏の醜聞となるロシア政府の情報を提供すると申し出ていた。

 トランプ氏とジュニア氏、顧問弁護団、政権幹部らは繰り返し、トランプ氏は会合のことを知らず、2017年7月にニュースになって初めて知ったと主張している。

 しかし、米CNNとNBCニュース(NBC News)によるとコーエン氏は、ジュニア氏がロシア側から会合の申し出があったことをトランプ氏に報告し、トランプ氏が承認する場面に立ち会ったと主張している。

 問題の会合は、トランプ氏と親交のある音楽パブリシスト(広報担当者)ロブ・ゴールドストーン(Rob Goldstone)氏がジュニア氏に接触し、「ヒラリーの犯罪とロシアとの取引を証明する公文書と政府の情報」があり「あなたの父に非常に有益なものだ」と伝えたことから開かれた。

 CNNによれば、コーエン氏は録音など自身の主張を裏付ける証拠を所持してはいない。しかし、CNNとNBCは匿名の情報筋の話として、コーエン氏は米大統領選へのロシア介入疑惑を捜査しているロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官に対して証言する意向だと報じている。(c)AFP