【7月27日 AFP】スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)は26日、男女合同チームを乗せたチャーター機で男子がビジネスクラスを利用していた一方で、女子がエコノミークラスに乗っていたことが明らかになり、ソーシャルメディア上で炎上した。同クラブ史上初の男女合同遠征ツアーが暗雲に包まれている。

 バルセロナは米ポートランド行きの航空機に搭乗した男女チームの写真や動画を公開したが、女子選手が投稿した写真では女子がエコノミークラスに座っている様子が示されており、これに気づいた女子チームのサポーターがソーシャルメディアで批判の声を上げた。

 ファンが開設したツイッター(Twitter)アカウントの@BarcaWomenでは、この話題を大々的に取り上げており、クラブが投稿した画像について「この一枚の写真は、双方のチームキャプテンが並んでビジネスクラスで撮影されたものです。このあと男子チームはビジネスクラスのシートに座り、女子チームはエコノミークラスに戻っていきました」「ビジネスクラスに誰か女性がいたかどうかについては、明らかに確認されませんでした。バルセロナがこれを平等だというつもりなら、それを裏づける行動が必要です」とつづられていた。

 しかし、女子チームのアレクシア・プテラス(Alexia Putellas)は、男女が飛行機で別々のクラスに分けられることになった理由として、女子チームが後になってから遠征に加わることになり、その時点ではすでに航空機がチャーターされていてビジネスクラスは男子チームが使用することが決まっていたからだと説明した。

 ポートランドに到着して初めてのチーム練習に臨んだ後、プテラスは報道陣に対して、「クラブは最後まで、あらゆる手を尽くしてくれました。これからも、こうした環境下で遠征できることを望んでいます」とコメント。スペインのスポーツ紙マルカ(Marca)の報道では、ビジネスクラスには36席しかなかったことと、女子チームが1人3席をあてがわれていたことが伝えられた。

 一方、バルセロナの広報担当を務めるジョゼップ・ビベス(Josep Vives)氏は、「この議論は、クラブのすべての事情が考慮されずに巻き起こったものだ。当クラブは航空機をチャーターしたが、当初は女子チームがツアーに加わる予定はなかった。これは運搬上の問題だ」と述べた。

 女子チームのディレクターを務めるマリア・テシドール(Maria Teixidor)氏も、批判は不当だとしてクラブを擁護しており、公式サイトで発表したコメント文で「遠征ツアーでの女子チームの待遇に関して、批判的な立場を取っているみなさんに申し上げます。バルサが女子チームに遠征への帯同を申し出たのは、将来チームがチャーター機のビジネスクラスで渡航できるようにするためです」と述べた。

「そのときこそ、平等について話をすることができるでしょう。なぜなら女子スポーツが男子スポーツと同様に、メディアで取り上げられ、スポンサー契約を結び、ファンの関心が向けられていることになるからです」

 クラブの発表によると、女子チームは今月29日にスペインに帰国し、その際にはビジネスクラスを利用することになるという。男子チームは来月8日まで米国に滞在し、イングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)に加え、イタリア・セリエAのASローマ(AS Roma)やACミラン(AC Milan)と対戦することになっている。(c)AFP/Daniel BOSQUE