【7月26日 AFP】マレーシアの野生生物保護当局は26日、ボルネオ(Borneo)島で村人の作物を荒らしたボルネオゾウが射殺されたと明らかにした。同国では絶滅の危機にある動物が殺される事例が後を絶たない。

 当局者はAFPに対し、4歳前後とみられる雄のゾウが23日、ボルネオ島サバ(Sabah)州の道端で発見されたと明かし、ゾウが殺された理由については、アブラヤシなどの「作物を荒らされたことの報復」という見方を示した。

 当局は辺地の集落のそばで起こったこの「無情」な行為の犯人を捜索中だという。ただ牙は奪われていなかったことから、闇市に象牙を売ろうとした密猟者による犯行ではないとみられている。

 広大な熱帯雨林があるマレーシアには、ゾウやオランウータン、トラなど多様な野生動物が生息しているが、人間の居住区や農場が拡大され動物の生息域へ入り込むのに伴って人と動物との衝突が相次ぎ、ここ数十年間で多くの希少種の個体数が激減している。(c)AFP