【8月9日 AFP】2018年5月、サッカーアルバニア1部リーグのスカンデルベウ・コルチャ(KF Skenderbeu Korce)はここ8年で7度目のリーグ優勝を果たし、紙吹雪が舞う中、大喜びしてトロフィーを掲げた。

 しかし、欧州サッカー連盟(UEFA)が主催するすべての大会に10年間出場できなくなったことで、その歓喜はすっかり遠い思い出になった。これは、UEFAがこれまでに科してきた処分の中で最も厳しいものだ。UEFAはまた、サッカー史上最悪の悪行とする八百長に関して、100万ユーロ(約1億3000万円)の罰金処分をスカンデルベウに科した。

 UEFAの倫理・規律委員会は、3月に漏えいした報告書の中で「このクラブは、これまでの歴史で誰も行ったことがないほど多くの試合で八百長をしてきた」と記している。

 スイス・ローザンヌ(Lausanne)にあるスポーツ仲裁裁判所(CAS)が、6月に今回の出場停止処分は未定となっている上訴を待つまでもなく効力を発揮する見込みと認めたことで、スカンデルベウに残っていたかすかな希望は絶たれた。

 7月にヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2018-19)の予備予選戦に進むことを期待していたスカンデルベウのアルディアン・タカイ(Ardian Takaj)会長は、この裁定がクラブにとって「死の宣告」以外の何物でもないと語った。

 15世紀にアルバニアで活躍した軍の指導者スカンデルベグ(Skanderbeg)の名にちなむこのチームは、同国のクラブとして唯一ヨーロッパリーグのグループステージに進出した経験を持つ。

 スカンデルベウが今後の欧州サッカー界から締め出されたことにより、熱狂的なファン層は心を打ち砕かれた。今年2月、彼らのうち数千人は同国南東部コルチェ(Corce)にあるクラブの拠点に集まり、「われわれの夢を奪わないでくれ」と主張していた。