【7月24日 AFP】夏季五輪で計6個の金メダルを獲得した米国の競泳選手、ライアン・ロクテ(Ryan Lochte、33)が、ドーピング違反で14か月の資格停止処分を受けた。米反ドーピング機関(USADA)が23日、発表した。

 USADAによると、ロクテは禁止薬物の使用ではなく、治療使用特例(TUE)なしに静脈注射を受けていたため処分を受けた。選手らは通常、治療の一環や特例を認められた場合のみ、静脈注射を受けることができる。

 USADAはロクテが調査に「全面的に協力した」ことを明かした上で、「ロクテはTUE無しで、インフュージョンクリニックにおいて12時間の間に100ミリリットル以上の合法薬物の静脈注射を受けた」と述べると、同選手が処分を受け入れたことを補足した。

 ロクテは5月に静脈注射を受ける自身の写真をソーシャルメディアに投稿しており、これがUSADAの調査につながった。資格停止処分は静脈注射を受けた5月24日からとなっており、同選手によるとこの日は妻と息子の具合が悪くなったため、予防措置のために治療を受けていたという。

 フロリダ州で記者会見に臨んだロクテは、打ちひしがれた様子で、「違法なものは何も摂取したことはない。すべて合法で、(大手ドラッグストアの)CVSやウォルグリーンズ(Walgreens)で手に入るものだった」と説明した。

「禁止薬物を摂取したことや、競技で優位に立つために体内に違法物質を取り込もうとしたことは一度もない。意図的に反ドーピング規則を破ろうとしたわけではない。残念ながら、規則が新しくなっていて、それはあまり知られていなかったとしても、しっかり把握しておくべきだった」

 今回の処分により、ロクテはカリフォルニア州で今週から始まる全米選手権(2018 Phillips 66 National Championships)をはじめ、来月東京で開催されるパンパシフィック水泳選手権(Pan Pacific Swimming Championships 2018)、そして来年韓国で行われる第18回世界水泳選手権(18th Fina World Championships)を欠場することになる。

 しかし、ロクテは36歳を迎える2020年には5大会連続となる東京五輪出場を目指していると明言しており、「これからも毎日トレーニングを続けていく。目標として2020年の五輪に出場したい。これが自分のハングリー精神を高めることになれば、必ずそこにたどり着けるだろう」と話した。

 ロクテは2016年のリオデジャネイロ五輪で、仲間の米競泳選手3人と共に強盗被害に遭ったと虚偽の主張をしたことにより、10か月の資格停止処分を受けていた。(c)AFP