【7月23日 AFP】中国の製薬会社が検査の際、狂犬病ワクチンの生産に関する記録を捏造(ねつぞう)していたことが今月発覚したことを受け、李克強(Li Keqiang)首相は製薬業界を襲った直近の安全問題について厳格に対処していく意向を表明した。

 中国の国家食品薬品監督管理総局(CFDA)は22日、同国有数のワクチンメーカー、長春長生生物科技(Changchun Changsheng Biotechnology)に対し、全ての生産を停止するよう命じたことを発表した。

 李首相は21日、政府のウェブサイトに発表した声明で「(われわれは)断固として、法を逸脱した全ての犯罪行為を取り締まり、法に従って犯罪者を厳格に処罰し、監督が不行き届きだった者らに責任を負わせなければならない」と述べた。

 CFDAは先週、問題の狂犬病ワクチンは長春長生の工場から出荷されていないと発表したが、国営メディアの報道はそうではないことを示唆しており、問題のあるワクチンがすでに子どもに接種された可能性への懸念が高まっている。

 中国では品質管理に関する不祥事がたびたび起きており、その都度、食品や医薬品の安全性をめぐる懸念が上がり、規制のまずさに怒りの声が巻き起こる。

 中国の国営英字紙、環球時報(Global Times)は23日の社説で、いくつもの過去の教訓を経てなお、こうした危険なワクチンが生産されていることに疑問を呈し、「そもそも品質基準に満たないワクチンが生産される事態をどうして国が防げないのか、国民は理解できない」と述べ、「ずさんな監督体制と処罰の軽さ」が原因だと示唆した。(c)AFP