【7月23日 AFP】タイ当局は22日、浸水した洞窟内から救出された少年らのうち大半が今週、頭髪をそり、僧衣を身に着けて、仏教寺院での修行に参加する予定だと明らかにした。

 タイ語で「イノシシ」という名のサッカーチームの少年らは数日前に退院し、自宅でゆっくり休養したり、ミャンマーとの国境に近いタムルアン(Tham Luang)洞窟での恐ろしい体験をメディアに語ったりしている。

 10代の少年12人とコーチの男性は6月23日、チームの練習後に洞窟に入ったが、モンスーンの大雨で浸水した洞窟の内部に閉じ込められてしまった。少年らは9日間、岩から滴る水を飲んで持ちこたえ、やせ衰えた状態で泥だらけの岩棚にいるところを救助ダイバーに発見された。さらに1週間後、危険を伴う救出活動によって、全員が脱出を果たした。

 少年らは全員、約1週間の入院を経て、驚異的なスピードで回復し退院。帰宅初日に寺院で幸運を感謝するとともに、救助活動中に死亡した元海軍特殊部隊のメンバーの冥福を祈った。

 今後、少年らは日常の生活に戻る前に短期間、寺院に住み込み修行する予定だという。タイのような仏教徒の国ではこうした修行は珍しくない。

 会見で少年らが9日間修行をすることを発表したチェンライ(Chiang Rai)県の県知事は「11人の少年は初心者として入門し、出家しているコーチのエーカポン・ジャンタウォン(Ekkapol Chantawong)さんは僧侶として修業する」と述べた。ジャンタウォンさんは洞窟内で少年らが落ち着いた状態を保てるよう努力していたと言われている。

 同県の仏教当局の責任者は、少年らが24日に頭髪を剃り、25日に僧衣を着て儀式に参加する予定だと述べた。少年らは8月4日に修行を終えるまで、別々の寺院に滞在するという。

 知事によると、少年の1人はキリスト教徒であるため出家しないという。(c)AFP