【7月23日 CNS】インターネットを介して投資家と融資先を結びつけるソーシャルレンディング業界では、毎月のように企業が倒産している。

 複数の観測情報によると、特に最近2か月、倒産が集中している。ソーシャルレンディングプラットフォームのポータルサイトである「網貸之家(Wangdaizhijia)」のデータによると、ソーシャルレンディングを運営する業者は、ピーク時の約5000社から、現在では約2000社へと縮小している。

 現金の引き出しが困難になったり、連絡が途絶えたりしたほか、警察が介入した業者は7月までで約70社に上る。

 倒産件数が注目を浴びる中、かつて問題が起こらないと思われてきたソーシャルレンディング大手の「投之家(Touzhijia)」には、13日までで、29億元(約480億円)の未回収金が存在する。同社の累計利用者数は287万人、累計貸借金額は約266億元(約4千400億円)に上る。

 中国・広東省(Guangdong)深セン市(Shenzhen)公安局南山分署は14日午後、投之家に対して違法に資金を集め詐欺をした疑いで捜査を始めた。

 投之家は2014年12月12日に深セン市で登記され、登録資本金は1億元(約16億円)で、払込資本金は1010万元(約1億6700万円)。設立当初は、後ろ盾となっていた投資家と網貸之家は共に投之家の運営側におり、系列グループだった。そのため、世間では投之家は網貸之家の兄弟会社と見られていたので、問題が起こらない会社だと思われてきた。

 投之家の問題が明らかになった後、網貸之家と関係する投資会社は、投之家とは関係がないことを表明した。深セン市の南山分署は、投之家に対して違法に資金を集め詐欺をした疑いで捜査を開始すると同時に、投資者が積極的に公安局の捜査に協力するように求めた。

 北京市にある、中国社会科学院(Chinese Academy of Social Sciences)金融研究所楊涛(Yang Tao)所長補佐によると、「ソーシャルレンディングの運営業者は今後、短い間に淘汰(とうた)と整理が進み数量も減少していくだろう。業界のトップ企業は、競争の中で優勢な組織が突出し、規模経済の効果が具現化する。また、この業務を行う機構はさらにリスクコントロールを重視し、全体の業務プロセスの正確性や安全性を重視することになる。また、オンライとオフラインの融合が今後さらに追求されるだろう」と話した。(c)CNS/JCM/AFPBB News