【7月23日 AFP】サッカードイツ代表のメスト・エジル(Mesut Ozil)は22日、W杯ロシア大会(2018 World Cup)で同国が惨敗したことによって自身が受けた批判について「人種差別的」と表現しながら、代表チームからの引退を発表した。

 トルコにルーツを持つエジルはW杯開幕直前の5月、同国のレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領と並んで写真を撮影したことで、ドイツ代表に対する忠誠心が疑問視されるなど物議を醸し、大会前から批判を受けていた。

 立腹したエジルはこの日、ツイッター(Twitter)とインスタグラム(Instagram)に主題を3つに分けた計4枚にわたる声明文を投稿。激しい非難を行い、最後に引退の意向を明かした。「非常に悲しいが、ここ最近の出来事によってしっかりと考えた結果、これ以上ドイツ代表の一員としてプレーしないことを決めた。人種差別的であり、敬意を欠いていた」

 エジルは自身に対して執拗(しつよう)な批判があったにもかかわらず、ドイツサッカー連盟(DFB)は自らを擁護することはなかったと批判した。

「ここ数か月で私を最も失望させた問題は、間違いなくDFB、特にラインハルト・グリンデル(Reinhard Grindel)会長によるひどい扱いだった」

 エジルはまた、エルドアン大統領との写真撮影に関する話題に終止符を打ち、事実を明らかにするために、「共同声明」を発表することをグリンデル会長とヨアヒム・レーブ(Joachim Loew)監督から求められたと述べた。

「グリンデル会長に自分のルーツや祖先について説明し、例の写真撮影の背景について納得させようとしたが、彼は自身の政治的見解を主張したり、私の意見をけなそうとしたりすることにより関心を持っていた」

 さらにエジルは、今大会でドイツがグループステージで敗退したことに対して自身が国内で不当に批判されていたと話した。

「これで私は、グリンデル会長が職務を正しく全うするための資格のなさや能力のなさのために、スケープゴートにされることもない。グリンデル会長や彼の支持者から見れば、私がドイツ人なのは勝ったときだけで、負けたときは移民なのだろう」 (c)AFP