【7月21日 AFP】GKとしては史上最高額でアリソン(Alisson Ramses Becker)がイングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)に加入したことをきっかけに、欧州トップクラブの守護神たちが玉突きで移籍する可能性が出てきている。

 リバプールは19日、イタリア・セリエAのASローマ(AS Roma)から7250万ユーロ(約95億円)の移籍金でブラジル代表のアリソンを獲得。リバプールは翌20日に、すぐさま控えGKのダニー・ウォード(Danny Ward)を、レスター・シティ(Leicester City)に放出した。

 ウェールズ出身のウォードは、シモン・ミニョレ(Simon Mignolet)や5月に行われた欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2017-18)のレアル・マドリード(Real Madrid)戦で失点につながる二つの大きなミスを犯したロリス・カリウス(Loris Karius)のバックアップだった。

 ウォードはレスターに移籍し、同クラブの守護神カスパー・シュマイケル(Kasper Schmeichel)のバックアップになるか、あるいはポジションを争う可能性もあり、さらにはこの移籍がデンマーク代表GKの退団につながるかもしれない。

 英スカイ・スポーツ(Sky Sports)によると、サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)での活躍を受けて、チェルシー(Chelsea)がシュマイケルに興味を示しているという。

 チェルシーのティボー・クルトワ(Thibaut Courtois)は家族と仕事の板挟みになっていると数か月前から公言しており、「2人の子どもは母親とマドリードに住んでいる。心はマドリードにある。論理的だし、当然のことだ」と今年2月に話しているため、クラブは新たなGK探しの必要に迫られる可能性もある。

 クルトワはW杯で大会最優秀GKに選ばれており、プレーするベルギー代表は同国過去最高の3位に入った。

 クルトワがレアル・マドリード(Real Madrid)に加入するとなれば、現守護神のケイロール・ナバス(Keylor Navas)の今後が懸念されることになる。

 その他では、ベルント・レノ(Bernd Leno)が加入したアーセナル(Arsenal)では、プレミアリーグの最多無失点試合の記録を持つペトル・チェフ(Petr Cech)や、ストーク・シティ(Stoke City)に在籍するイングランド代表のジャック・バトランド(Jack Butland)も移籍のターゲットになっている。

 またマンチェスター・シティ(Manchester City)のジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)監督は、この2年間をトリノ(Torino FC)やウェストハム(West Ham)というローン移籍先で過ごしたジョー・ハート(Joe Hart)の処遇について、「解決策を見いだしたい」とコメントしている。

 英国の移籍市場は8月9日までだが、他国のクラブへの移籍は8月31日まで可能となっている。(c)AFP