【7月20日 AFP】米ミズーリ州の人造湖で31人を乗せた水陸両用の観光船が突然の嵐に見舞われ転覆・沈没した事故で、乗船していた一家・親族11人中、9人が亡くなっていたことが分かった。犠牲者の親族が20日、米メディアに対して明らかにした。また乗務員が救命ジャケットは必要ないと話していた、との証言も出ている。

 事故は19日夜、同州ブランソン付近に位置し、人気の観光スポットとなっているテーブルロック湖(Table Rock Lake)で発生。目撃者の一人が捉えた映像には、激しく波立った水面で上下に揺れる船が捉えられている。

 地元テレビ局「フォックス59」(Fox59)の取材に応じた生存者の一人、ティア・コールマン(Tia Coleman)さんは病院のベッドで、「悲しみに打ちひしがれている。一家11人のうち2人だけが生き残った。おいと私の2人だけだ」「子どもたちを全員失った。夫も失った。義理の父母も、その他の親戚も」と声を震わせながら語った。

 またコールマンさんは、観光船の船長が乗客に対して、救命ジャケットは必要ないだろうと述べていたと証言。「船長は水上でそう言った」「救命用ジャケットを手にする時はすでに遅すぎた。多くの命が救われていただろうに」と述べた。

 ストーン郡(Stone County)保安官事務所によると、犠牲者の年齢は1歳から70歳にまでわたり、観光船の運転手も死者に含まれていたという。(c)AFP/Maggy Donaldson, Nova SAFO