【7月21日 AFP】イスラエル軍は20日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)との境界線で兵士が射殺されたことを受け、同地区各地を対象とした空爆や砲撃を実施した。同地域では数か月にわたり抗議デモや衝突が相次いでおり、同地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)とイスラエルの間での大規模な紛争に発展する恐れが高まっている。

 ガザ地区では相次ぐ空爆により火柱が上がり、ハマスのメンバー3人が死亡。また、イスラエルとの境界沿いで行われた抗議デモの現場ではパレスチナ人1人が射殺されたと伝えられている。

 イスラエル軍は、ガザ地区南部とイスラエルの境界線沿いで兵士が「テロリスト集団の銃撃」を受けたと説明。ある報道官はAFPに対し、ガザ地区とその周辺での作戦中にイスラエル兵が死亡したのは2014年の紛争以降で初めてだと語った。

 イスラエル軍によると、この銃撃への対抗措置として実施された「大規模攻撃」の一環として、同軍の航空機や戦車がハマスの拠点40か所を攻撃した。

 ガザ地区では3月以降に相次いだ衝突などにより、少なくとも149人のパレスチナ人が死亡。先週末には、イスラエルとパレスチナ人武装勢力との間で、2014年の紛争以降最も激しい戦火の応酬が起きた。

 イスラエルは14日の空爆で、ガザ地区の武装勢力の拠点とされる数十か所を攻撃し、10代のパレスチナ人2人が死亡した。また同日にはガザ地区からイスラエルに対して約200発のロケット弾や迫撃弾が撃ち込まれ、同国南部スデロット(Sderot)の民家が被弾しイスラエル人4人が負傷した。(c)AFP/Mai Yaghi