【7月20日 AFP】韓国のある新興企業が、100年前に宝の山を積んで日本海に沈没したロシアの軍艦を発見したと発表し、それをきっかけに関連企業の株価が乱高下している。これを受けて20日、金融規制当局が警告を出す事態に発展した。

 旧ロシア帝国の巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ(Dmitrii Donskoi)」は、日露戦争中の1905年に自沈。同艦には、150兆ウォン(約15兆円)相当の金塊や金貨が積まれていると信じられている。

 今週初め、新興企業のシニルグループ(Shinil Group)が、日本海の韓国領・鬱陵島(Ulleung Island)沖の水深426メートル超の地点に沈没しているドンスコイを発見したと発表。

 しかし2003年にも、同艦を見つけたと発表した別の企業が投資バブルを引き起こしており、今回の発見については懐疑的な目も向けられている。

 この発表後、シニルグループの創業者が株式の大部分を取得しているジェイル・スチール(Jeil Steel)の株価が一時急騰。しかし19日には20%急落、翌20日にはさらに30%下落した。

 金融監督院(Financial Supervisory Service)は、「『宝船』の引き揚げ計画については、うわさを信じた場合投資家が大損失を被る恐れもあり、慎重を期すよう勧告する」とともに、「『宝船』に関し、誤情報や根拠のないうわさを拡散することは、刑事罰の対象にもなり得る」と警告した。

 この警告に先立ち、シニルグループが同艦の引き揚げ後に多額の報酬を約束した上で、仮想通貨を投資家らに販売しているとの報道も出ていた。(c)AFP