【7月21日 東方新報】中国では卒業シーズンを迎え、大学の卒業生が就職活動をする上で、最も重視するポイントは、業種と給与だ。ある調査会社が発表した「2017年上場企業従業員給与ランキング」では、業種、地域などの観点から分析を行っている。

 2017年に従業員の給与を公開した3463社のうち、従業員一人当たりの平均年収が100万元(約1700万円)を超える企業は4社のみだった。

 従業員一人当たりの平均年収別では、従業員の年収が5万元(約83万円)~10万元(約167万円)の企業は1475社で、42.57%を占める。従業員の年収が15万元(約250万円)を超える企業は、わずか24.82%だ。これは企業の業種と地域差に関係がある。

「投資は山海関(Shanhaiguan)を越えてはならない」(中国・東北地方への投資は不向きだという意味)

 東北地方の経済発展の現実だ。大卒者の就職先地域について、この表現は多少大げさではあるが、給与の地域格差は実際に大きい。南方の平均給与水準は北方より高い。また、経済が発展している地域は、発展が遅れている地域より高い。

 31地域の中で、従業員の平均年収が15万元(約250万円)を超えるのは、わずか4地域。上海は唯一、20万元(約330万円)を超える地域だ。北京はそれよりいくぶん低く、18.44万元(約300万円)だ。

 業種別では、金融業が高い給与水準をずっと維持している。17年も例外ではない。

 金融業以外には、ITとゲーム関連業種も見通しが明るい。これらの業種での17年の最高給与はそれぞれ87.11万元(約1400万円)と67.65万元(約1100万円)に達した。

 インターネットと関連があるマスメディア、コンピューター分野や通信などの分野も新卒者が注目する業種だ。給与水準もさほど低くなく、上昇傾向にある。

 逆に給与水準が低い業種は、従来の製造業を中心とした業種で、巨額のコストがかかった設備は、高い利益を生み出していない。第一次産業や、紡績業、軽工業などの業種に従事する従業員の平均年収は10万元(約160万円)未満だった。

 高い給与を得るためは、往々として比較的高い学歴と能力が必要となる。全員が給与水準の高い会社に入社できるとは限らないが、職業選択方向性と努力は同様に重要だ。

 地域別では、南方もしくは大都市の給与水準は、ほかの地域より高い。業種別では、金融やインターネット関連業種に注目してみても良いだろう。職業を選択する際に、特に気をつけるべきことは、業績が悪化している企業を避けることだ。(c)東方新報/AFPBB News