【7月21日 AFP】ツール・ド・フランス(2018 Tour de France)は20日、第13ステージ(ブールドワザンからバランス、169.5キロメートル)が行われ、ボーラ・ハンスグローエ(Bora Hansgrohe)のペーター・サガン(Peter Sagan、スロバキア)がスプリンターとしての実力を存分に発揮して今大会3勝目を飾った。マイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)はチームスカイ(Team Sky)のゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)が守った。

 アルプス3連戦で次々と有力なライバルが姿を消していく中、サガンは平坦コースのスペシャリストであるスプリンターとして、今大会で生き残っている数少ない一人となっている。ディメンション・データ(Dimension Data)のマーク・カヴェンディッシュ(Mark Cavendish、英国)やカチューシャ・アルペシン(Team Katusha Alpecin)のマルセル・キッテル(Marcel Kittel、ドイツ)、ロット・ソウダル(Lotto Soudal)のアンドレ・グライペル(Andre Greipel、ドイツ)、チーム・ロットNL・ユンボ(Team LottoNL-Jumbo)のディラン・フルーネヴェーヘン(Dylan Groenewegen、オランダ)、クイックステップ・フロアーズ(Quick Step Floors)のフェルナンド・ガヴィリア(Fernando Gaviria、コロンビア)は、厳しい山岳コースの2日間で次々と姿を消した。

 今大会ではすでに2勝を挙げていたサガンは、ライバルがいなくなった状況を利用してツール通算11勝目を飾ると、「アルプスでの3日間を終えて、きょう勝てたのは本当に最高だ」とコメント。マイヨ・ヴェール(グリーンジャージー)争いでも398ポイントに伸ばし、トップに立っている。僅差でステージ2位に入ったUTE(UAE TEAM EMIRATES)のアレクサンダー・クリストフ(Alexander Kristoff、ノルウェー)がポイント賞でも170ポイントで2位につけ、グルパマ・FDJ(Groupama-FDJ)のアルノー・デマール(Arnaud Demare、フランス)が133ポイントで3位に続いている。

 レース残り930メートルでは、クイックステップのフィリップ・ジルベール(Philippe Gilbert、ベルギー)がメイン集団から飛び出し、サガンに余分な労力を強いるべく果敢にアタックを仕掛けた。しかし、サガンとそのライバル勢はそれにひるむことなく、ペースを上げ続けて、ワンデークラシックレースのスペシャリストであるジルベールを残り245メートルでとらえた。

 終盤の数キロメートルでは、比較的に統制の取れた4人の逃げ集団に対し、UAEチームとデマールが追走の鍵を握っていた。しかし、デマールは最初にスパートしてガソリンが切れるという代償を支払う結果となり、左からサガンとクリストフに置き去りにされてしまった。レース後には、「勝てると思い、スプリント勝負を仕掛けたけれど届かなかった。サガンは強すぎた」とコメントした。

 総合争いではアルプスで2勝を記録したばかりのトーマスに続き、クリス・フルーム(Chris Froome、英国)が1分39秒差で2位、チームサンウェブ(Team Sunweb)のトム・デュムラン(Tom Dumoulin、オランダ)が1分50秒差で3位につけている。

 スカイではフルームがチームリーダーではあるものの、トーマスは「できるだけ長く、このジャージ―を維持できることを望んでいる。だけど、これは3週間のレースでピレネー山脈(Pyrenees)では、さらに厳しさが増していく」と話した。

 第14ステージはサンポールトロワシャトー(Saint-Paul-Trois-Chateaux)からスタートする難関コースで、技術的な走行が要求される188キロメートルに及ぶレースとなる。(c)AFP/Justin DAVIS