【7月20日 AFP】交流サイト(SNS)最大手フェイスブック(Facebook)のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)最高経営責任者(CEO)が、ホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)を否定する投稿をフェイスブックから排除すべきでないと述べたことを受け、同社が新たな論争に巻き込まれている。

 ザッカーバーグ氏の発言は激しい批判を呼び、サイト上でのヘイトスピーチ(憎悪表現)や暴力的コンテンツ、虚偽情報の根絶を目指す同社の取り組みを損なう形となった。

 同氏は18日、ITニュースサイト「リコード(Recode)」とのインタビューで、フェイスブックは偽ニュースの拡散阻止に努めているが、ホロコースト否定論者や陰謀論サイト「インフォウォーズ(Infowars)」からの投稿を含め、事実に誤りがあるというだけで投稿を排除することはないと表明した。

 同氏は自身がユダヤ系であることに触れた上で、「ホロコーストが起こったことを否定する人々もいる。とても不愉快だ。それでも結局は、別の人々が思い違いをしていると私が考えるからといって、私たちのプラットフォームがそれを削除すべきだとは思わない。彼らが意図的に思い違いをしているとは考えない」と述べた。

 ザッカーバーグ氏の発言に対しては即座に、憎悪や暴力を誘発しかねないとの批判の声が上がった。

 ユダヤ人人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター(Simon Wiesenthal Center)」のアブラハム・クーパー(Abraham Cooper)氏は、「ホロコーストの否定は典型的な『偽ニュース』だ」と指摘。

 クーパー氏は「ナチスのホロコーストは史上最も多く記録された残虐行為であり、フェイスブックなどのソーシャルメディア・プラットフォームでホロコーストを否定する虚偽情報の投稿を認めることは、『自由な意見交換』の名の下に正当化できるものではない」と述べた。(c)By Rob Lever, with Glenn Chapman in San Francisco