【7月19日 時事通信社】中国の習近平国家主席は19日、中東とアフリカの5カ国歴訪に出発し、最初の訪問国のアラブ首長国連邦(UAE)に到着した。アフリカ外交を再強化するほか、南アフリカでは新興5カ国(BRICS)首脳会議に出席。保護主義的な通商政策を掲げ、中国を筆頭に各国との貿易摩擦が激化しているトランプ米政権を強くけん制するため、新興国・途上国の結束を主導して中国の存在感をアピールする狙いだ。

 習氏のアフリカ重視は顕著だ。2013年3月の主席就任後、初外遊にアフリカ諸国を組み込んだほか、15年12月にも訪問した。中国外務省によると、習氏はUAEの次にアフリカへ移動し、西部セネガル、中部ルワンダ、南アフリカ、東部のインド洋に浮かぶ島国モーリシャスの各国を訪れる。

 習氏はこのほか、自身が提唱したシルクロード経済圏構想「一帯一路」で、アフリカルートの拠点を強化したい意向だ。孔鉉佑外務次官は記者会見で「(習氏歴訪は)中国とアフリカの途上国との団結や協力を必ず強化するだろう」と述べた。

 中国政府はアフリカ外交で、途上国の盟主としてアフリカ諸国を味方に付け、国連外交などで主導権を握るほか、豊富な資源を確保することを狙ってきた。9月には北京で「中国・アフリカ協力フォーラム」を開き、多くのアフリカ諸国首脳を招くが、経済支援やインフラ整備をてこにアフリカへの影響力を拡大する方針だ。

 習氏はまた、25~27日には南アフリカのヨハネスブルクで、プーチン・ロシア大統領、モディ・インド首相ら首脳が一堂に会するBRICS首脳会議に出席。同首脳会議はもともと欧米主導の秩序への対立軸を目指して発足したが、トランプ政権の誕生で欧米にも亀裂が入った。習氏は保護主義的な貿易政策を打ち出すトランプ政権への圧力を強めるため、自由貿易で欧州や日本などと協力強化を急いでいる。BRICS首脳会議でも自由貿易体制の維持で一致する見通しだ。(c)時事通信社