【7月19日 AFP】昨年、抗レトロウイルス療法を受けたHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染患者の数が、2170万人となった。これは世界のHIV感染患者の約60%に上り、過去最多となった。国連合同エイズ計画(UNAIDS)が18日、発表した。

 UNAIDSによると、昨年のHIV感染者3690万人のうち、治療を受けなかった患者は1520万人で、これは感染拡大後で最少だった。

 UNAIDSは、新たな感染および感染による死への対策が進んでいることを評価したが、1980年代初頭に初めて症例が報告されて以降、約8000万人が感染し、3540万人が命を落としている事実に対しては遺憾の意を表した。

 他方でUNAIDSは、財源や世界的関心が失われれば、これまでの進展は停滞したり、後退さえもしたりする恐れがあるとして注意を促した。

 ミシェル・シディベ(Michel Sidibe)UNAIDS事務局長はAFPの取材に対し、「成果を維持し、2020年の目標を達成するためには毎年70億ドル(約7900億円)の資金が不足している」と述べ、「こうした資金不足は、感染の再流行とエイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)による死者の増加につながる恐れがある」と指摘した。(c)AFP