【7月19日 AFP】地球にはキラキラ光る宝石が大量に埋まっている。正確に言えば、それは1000兆トン以上のダイヤモンドだ。米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが今週、研究報告を発表した。

 だが、新鉱脈発見による「ダイヤモンドラッシュ」は期待できない。自然界で生成されるこれらの貴重な鉱物は、地球の表面下約145~240キロに位置しており、過去の掘削調査における最深部よりもはるかに地中深くにあるからだ。

 MIT地球大気惑星科学部のリサーチサイエンティスト、ウルリッヒ・フォール(Ulrich Faul)氏は「われわれが手にすることはできないが、これまで考えられていたよりはるかに大量のダイヤモンドがそこに存在する」と話す。

「今回の研究結果が示しているのは、ダイヤモンドがそれほど珍しい鉱物ではなく、物質の規模で見れば比較的ありふれた鉱物であるということなのかもしれない」

 研究チームは今回、地中での音波の伝わり方を分析する地震探査技術を用いて、「クラトン(剛塊)の根」と呼ばれる岩石の内部にダイヤモンドの存在を検出した。クラトンの根は、地殻からマントルの中に向かって延びる上下逆さまの山脈のような形状をしている。

 ダイヤモンドが見つかった場所について、MITは「大半の大陸構造プレートの中心部下部に位置する岩石の最も古くて動きの少ない部分」と説明している。

 地球深部のダイヤモンドの存在を明らかにする研究プロジェクトが始まったきっかけは、音波が古代クラトン根部を通過する際に、著しく加速するという観測結果に科学者らが困惑したからだった。

 そこで研究チームは、音波が岩石内を通過する速度を推計するために、鉱物のさまざまな組み合わせからなる仮想の岩石を作成した。

「ダイヤモンドはいろいろな意味で特別だ」と、フォール氏は述べ、「ダイヤモンドの特異的な性質の一つは、ダイヤモンド中の音速が、上部マントル岩石の主要鉱物であるかんらん石中の2倍以上に達することだ」と続けた。

 実験の結果、クラトン中で検出されていた音速と一致するのは、ダイヤモンドを1~2%含む種類の岩石だけであることが分かった。研究チームは、地球の古代の地下岩石圏には、これまで予想されていたより1000倍以上も多くのダイヤモンドが含まれていると考えられるとしている。

 それでもやはり、これらのダイヤモンドが宝石店に並ぶ見込みはほとんどない。

 炭素でできているダイヤモンドは、地下深くの極度の高温と高圧の条件下で形成され、発生頻度が数千万年に1度という非常にまれな火山噴火によってのみ、地表近くに現れる。(c)AFP