【7月19日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、テネシー・タイタンズ(Tennessee Titans)のDEジュレル・ケイシー(Jurrell Casey)は18日、来季も試合前の国歌演奏中に社会的不公正に対する抗議を続ける意向を示し、米CNNで「罰金を受け入れる」と話した。

 タイタンズ一筋で7シーズンを過ごしている28歳のケイシーは、NFLのプロモーションイベントが行われた英ロンドンでCNNに対し、試合開始前の国歌「星条旗(The Star-Spangled Banner)」演奏中に拳を突き上げる昨季の抗議行動を継続すると話した。「彼らに自分がやることを止めさせるつもりなはい。もし、彼らが選手との間でこうした対立をしたいのであれば、そうなるまでだ」

 来季からNFLは、国歌演奏中の抗議に対する新たなルールを適用する。今年5月にNFLはオーナー会議を開き、国歌演奏中は選手、スタッフ全員に起立を義務づける新ルールを定めた。なお、起立を望まない選手は、演奏中にロッカールームに残ることが認められている。

 このルールに基づいて各チームは国歌に対する方針を定めることになるが、もし抗議する選手がいた場合はチームに対して罰金が科される。また、各チームは選手に罰金を科す権利があるが、ケーシーは 「罰金を受けるつもりだ。当然さ。国旗が掲げられる間は抗議する。今言えるのはそれだけだ」と語っている。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領はここ2シーズン、国歌の演奏中に膝をついて抗議の意思を表す選手を批判していて、チームのオーナーに対してそういった選手を解雇するよう求めている。 しかし、ケイシーは自身のスタンスに対する批判を受け入れるとして、「批判はまったく気にしない。したいようにする。そうすることで自分のコミュニティーに光を当てることができる。自分の舞台を活用し続けるつもりだ。訴え続ける」と付け加えた。

 一連の抗議行動が行われるようになったのは、元サンフランシスコ・フォーティナイナーズ(San Francisco 49ers)のQBコリン・キャパニック(Colin Kaepernick)が、2016年に武器を持たない黒人数人に警察が発砲した事件を受け、社会的不公正や人種差別に抗議したのが始まりだった。トランプ大統領は、こうした行為は国旗、国、兵士を侮辱するものだとして批判している。(c)AFP