【7月19日 東方新報】出前アプリの餓了麼(Ele.me)はこのほど、出前のノウハウを基に広州市(Guangzhou)で高齢者在宅介護サービスに進出すると発表し、驚きが広がっている。 

 地域密着型の生活サービス業は、これまでもIT企業が参入を模索してきた分野だが、ことごとく失敗している。 餓了麼は昨年9月、広州市越秀区(Yuexiu)で高齢者向けの出前サービスに着手。外食が難しい高齢者向けに、食事を宅配している。同地区は広州市で高齢化が最も進んでおり、60歳以上人口が全体の24.5%の28万5000人に達する。

 高齢者出前サービスの注文数は、昨年9月から現在までに286%増加。越秀区では配送費を徴収せず、サービスを提供する別の地域では実費のみを受け取っているという。また、配達員は高齢者との会話や電球の交換、薬の配達なども行っており、自宅への滞在時間は通常の出前の12.7倍に相当する6分前後となっている。

 高齢者にとって素晴らしいサービスであることは間違いないが、サービスを継続するためには、利益を得られるビジネスモデルが必要になる。餓了麼は今後、食事の宅配を通じて高齢者との接点を増やし、在宅介護、病院への付き添いなどの有料サービスで収益化を図る計画だという。(c)東方新報/AFPBB News