【7月19日 東方新報】中国国家薬品監督管理局が15日に発表したところによると、同局が製薬会社の長春長生生物科技(Changchun Changsheng Biotechnology)に対し抜き打ち検査を行った結果、狂犬病ワクチンの生産記録に捏造(ねつぞう)が存在するなど、「薬品生産品質管理規範」に著しく違反していたことが発覚した。

 吉林省(Jilin)食品薬品監督管理局が同社の違法行為について立ち入り検査を行っている。国家薬品監督管理局からも監督検査チームが派遣されている。問題があった製品は市販される前のもので、すでに差し押さえられている。

 同社の時価総額は13日の239億元(約4000億円)から、16日には215億元(約3600億円)となり、24億元(約400億円)も縮小した。

 同社によると、吉林省食品薬品監督管理局は同社に対して発行されていた適合認定証を取り消し、同社は狂犬病ワクチンの生産停止とリコールを実施しているという。

 医療業界のコンサルタント会社、北京鼎臣(Beijing Dingchen)の史立臣(Shi Lichen)氏は、「記録の不正といっても範囲は広く、温度や数量、人数などさまざまだが、だいたいコスト削減のために行っているケースが多い」と分析する。

 市場調査を行っている中国産業信息網が発表した、2017年の狂犬病ワクチンの市場シェアによると、長生生物科技を含む4社が中国国内市場の88.63%を占めており、長生生物の17年の狂犬病ワクチンの販売量は中国市場の23.19%を占めていた。

 長生生物科技の17年度報告によると、ワクチンの販売実績は1784.7万人分。現在、中国国内で狂犬病ワクチンを生産する企業は比較的多く、需要と供給のバランスに影響はないとしている。(c)東方新報/AFPBB News