【7月18日 CNS】今年前半の中国の経済指標が出そろった。GDP成長率が予想を上回り、物価上昇幅も目標内に収まるなど、総じて良い数字だった。

1:GDP成長率が予想上回る

 中国の今年前半のGDP(国内総生産)は速報値で前年同期比6.8%増の41兆8961億元(約703兆円)と、市場予測を上回った。GDP成長率は12四半期連続で6.7-6.9%を維持している。

2:物価上昇幅は政府目標を達成

 今年前半の消費者物価指数(CPI)は、前年同期比2.0%上昇。年初に設定した3%前後の目標を達成した。

 物価は安定的に上昇しており、需給バランスが取れていることを示唆している。

3:収入の伸びは一人当たりのGDP成長率を上回る

 今年前半の国民一人当たりの可処分所得は同8.7%増(名目ベース)の1万4063元(約23万6000円)。価格上昇の要素を除いた実質伸び率は6.6%だった。

 国家統計局の毛盛勇(Mao Shengyong)報道官は、「今年前半の国民の平均可処分所得の伸びは、経済成長率とおおむね同じで、伸び率では一人当たりのGDPの成長率を上回っている」と述べた。

 また、都市と農村の所得格差は2.77倍で、同0.02ポイント縮小した。

4:雇用情勢は安定

 6月の失業率は4.8%で前月から横ばい。前年同月比では0.1ポイント下降した。31大都市の失業率は4.7%で、前月から横ばい。前年同月比では0.2ポイント下降した。

 毛報道官は、「全国の失業率は3カ月連続で5%を切った。これは2016年に国家統計局が全国規模で雇用の月次調査を始めて以降、最低水準だ」と述べた。

5:一人当たりの平均支出は堅調な伸び

 今年前半の1人当たりの消費支出は、前年同期比8.8%増(名目)の9609元(約16万1000円)だった。物価上昇要素を除いた実質的な伸びは6.7%。

 消費の伸びや雇用情勢の安定と所得の堅調な伸びを反映している。

6:民間投資と製造業投資が回復

 今年前半の民間投資は、同8.4%増の18兆4539億元(約310兆円)。伸び率は前年同期から1.2ポイント上昇した。製造業では同6.8%増加。伸び率は同1.3ポイント上昇した。

7:消費経済が進展

 経済の質も向上している。今年前半の第三次産業の付加価値額の伸びは二次産業を1.5ポイント上回り、対GDP比率では54.3%だった。最終消費支出のGDP成長率に対する貢献率は78.5%だった。(c)CNS/JCM/AFPBB News